クィッティアオ・ナムトックコッテリ系の衝撃的な出会い

さて、今回の「タイごはん」はこれもちょっとマニアックな「クイッティアオ・ナムトック」。クイッティアオというのは道端の屋台でも見かけるタイ・ラーメンのこと。その麺の種類によって、センミー（ごく細麺）、センレック（細麺）、センヤイ（太麺）に分けられます。

そして「ナムトック」というのは「滝」という意味ですが、イサーン料理にもナムトックというメニューがあり、ちょっと濃い目でレバが入った料理ですが、タイ人に聞いたところ、そのイサーン料理のナムトックから来ているのだろうと。だから、イサーンの人が好きなラーメンだろうと。「イサーン料理には豚の血や貝の血、牛の血などが料理メニューとしてあり、そのあたりから来たものではないか」という。

　と前置きが長くなりましたが、この「ナムトック」ラーメンに私は衝撃を受けたのを今でも覚えています。それまでは結構、屋台ラーメンが好きでよく食べていたのですが、スープがいつもあっさり系で、タイには「コッテリ」はないのかい？と思っていました。

そしてある時、通りがかりに濃いスープのクイッティアオを食べているタイ人を見て「これだ！」と思い、その屋台に寄って同じものを注文。それがあとでわかったのですが、「クイッティアオ・ナムトック」だったのです。

　コッテリ系に見えるスープ。コクがありそうな一品。それが衝撃的な出会いでした。しかし、食べてみると、それほどコクがあるわけではなく、ほどほどという感じで、「日本のようなコッテリ系」を求めた自分としては少々物足りなかったのを覚えています。

　ただその時は、このコッテリ系に見えるスープが「豚の血」だなんて思いもつきませんでした。そのあと、大分たってタイ人から言われても疑っていましたね、そんなわけないだろって。

　でも、豚の血でかためたコンニャクみたいなものもあって、豚の血のスープのクイッティアオもあるのかな、と思うようになり、そのころからそういうものだと、ひとりで納得して無理やり理解しました。だから知らずに初めに食べたあの、ナムトックが衝撃的な出会いだったのです。

　今でも、このナムトックは食べないことはないですが、やっぱり豚の血のスープなんですよね…。まあ、知らないで食べると、意外とコクあるスープでいいんじゃん！なんて思うのかも知れませんが、知ってて食べると、まあ、そういうもんですね。

悪くはないと思いますよ。臭みもないですし。まだ一度も食べたことのない人は、屋台で、とは言いませんが、最近はフードコートなどでも結構、タイ・ラーメンは食べられるので、エンポリアムのフードコートなどででもきっとクイッティアオ・ナムトックは置いているでしょう、挑戦してみて下さい。（Ｍ）

クィッティアオ・ナムトック コッテリ系の衝撃的な出会い

クィッティアオ・ナムトックコッテリ系の衝撃的な出会い