起業にともない必要な就業規則！

タイで日本人が起業した場合、タイ人の従業員のための就業規則というものも必要になりますが、労働局では10人以上の会社について就業規則の作成を義務づけています。
　しかし、それ以下の会社でも、就業規則があった方がよい。ところで最低限、設定しなくてはいけない内容、いわゆる労働基準法には、どのようなものがあるのでしょう。

　労働局が定めている内容について、起業する日本人に関心の高い項目について取り上げてみましょう。

①勤務日は１週間で６日以内。
　ですから月～土曜日出勤という会社もＯＫ。

　タイでは意外と土曜出勤の会社もあります。起業してまもないころは月曜から土曜まで働くというのはいいかも。でも、タイ人が求職で応募してくるかどうか。

②勤務時間は１日８時間以内、１週間で48時間以内。
　そのように設定し、できるだけ残業時間に充てない。

　8時間ということは、朝9時から夕方6時までの就業時間でOK。正午から午後1時までは勤務時間に含まない。

③休憩は１日１時間以上。
　これは普通の会社では昼間の12時から１時。

④祝祭日での休みは１年で13日以上。

　1年で必ず休みにしなくてはいけない祝祭日があるので、それをのぞく祝祭日などで仏教関連の日などは出勤させてOK。ただ1年で13日に達する必要があるということ。

⑤１年以上、働く従業員には有給休暇を６日以上あたえる。

　小さな個人会社ではこれが守られていないところも多いでしょう。従業員がこのことを知らない場合は問題が起こりませんが、辞める時に今までの有給休暇分の日数を退職金でほしい、などと言われた時に困ります。

⑥残業は１週間で36時間以内。

⑦残業代は、通常の日の残業で時間給の1.5倍以上。
　時間給を算出する方法は給料を30日で割ってさらに８時間で割る。

⑧年間で30日以内なら、病気での欠勤がＯＫ。

　多いような気もしますが、これが雇用者としても頭が痛い。電話1本で頭が痛い！おなかが痛い！調子が悪い！と欠勤されます。休んだ日は病院の診断書を後日、持って来させる規則にするのもいいかも。

⑨妊娠での休暇は90日は認められ、その間、半分の45日分の給料は支給しなくてはならない。

　妊娠を理由に解雇できない。あとの45日分は、社会保険事務所から支給されます。

⑩解雇の場合は、補償金を従業員に支払う。
勤務４ヵ月以上、１年未満　１ヵ月分の支払い
勤務１年以上、３年未満　　３ヵ月分の支払い
勤務３年以上、６年未満　　６ヵ月分の支払い
勤務６年以上、10年未満　　８ヵ月分の支払い
勤務10年以上　　　　　　10ヵ月分の支払い

⑪辞職の場合は補償金の支払いなし

　ところで、解雇というのは2種類あり、会社に損害を与えたなどで辞めさせる解雇。これは例えば、ヤーバーを会社で吸っていたとか、3日間、連絡もなく欠勤したとか、会社の備品を盗んだとか、この場合は、補償金は出ない。一方、会社の事情で辞めさせる場合。こちらは⑩の規定額を支払う。あと、15日前には知らせる必要があり、すぐに辞めてもらう！などという場合は、+1カ月分の支払いが必要。

　以上の規定はタイ労働局で最低限、定めているものであり、それを実行しない場合、従業員が労働局に訴えるというケースもあり、雇用者としてしっかり把握しておくことも必要でしょう。
　なお、タイ語の就業規則につきましてはタイ自由ランド事業部では12,000バーツから作成しております。